東京入管で被収容者が大規模ハンストを実施
被収容者60人以上が抗議行動に参加
5月9日(火)の夕食から、東京入管の被収容者が、再収容、長期収容に反対してハンガーストライキ(拒食による抗議行動)を開始しました。
今回ハンストに参加している人の中には、難民として日本に逃れていた人も多く含まれており、来日後、非正規滞在のまま外国人労働者として働いて来た期間は、長い人は30年以上になる方もいます。
ハンスト参加者は、9日の夕方の官給食が配られる前の16時30分頃、東京入管局長に要求書を渡してほしいと東京入管職員に依頼しました。しかし、職員はかたくなに拒否しました。翌々日の11日時点でも、東京入管は要求書を受け取っていません。 支援者がハンスト参加者と面会して聞いたところ「ハンストに期限の定めはない。また、入管から支給される官給食だけでなく、入管内で購入可能なカップラーメンなども一切食べない」とのことでした。さらに、参加者のうち約10名は水も飲まないとしています。
人権を尊重しない入管への命がけの抗議
被収容者たちの要求は、入管のいい加減な制度運用によって相次ぐ再収容、長期収容に対する抗議でです。
今回の被収容者による要求は、人道的に見ても最低限保障されるべきものであると思います。しかし、長年、当事者が同様のことを訴え続けているにも関わらず、事態は一向に根本的な改善していません。自分の命を懸けなければならないと行動に出るほど、現在の入管の非正規滞在外国人に対する制度運用は矛盾点が多いのではないでしょうか。
そこまでして当事者が行動をしているにも関わらず、要求書の一つ受け取りもしないことは理解に苦しみます。その場で改善に対する回答をするか否かに関わらず、最低限要求書を受け取ることはするべきではないかと考えます。
自分たちの主張、闘いが、正しく入管にも日本社会にも伝えたい
またハンスト参加者間では、次の3点を確認しているとのことです。
- 職員に手を出さない。
- 職員に汚い言葉は使わず、丁寧に話す。
- 物を壊さない。
問題なのは日本の法律、制度、組織のトップの考えであり、現場の職員は指示のもとに働いているだ、職員に問題があるわけではない。 自分たちの主張、闘いが、正しく入管にも日本社会にも伝わるようにとの理由からだと、ハンスト参加者は支援者に語りました。
引き続き支援を
BONDメンバーも、水曜日からハンスト参加者への面会を継続しています。被収容者たちが、命を懸けてまで立ち上がっていることに敬意を持ちつつサポートを続けていきたいと思います。
私たちも、彼らの体調が一番に心配です。一日も早く入管が誠実に対応し、事態が収拾することを願います。
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